日曜日は第34回鹿児島県地区対抗女子駅伝が行われます。
4連覇を狙う姶良に、社会人・高校生共に充実した出水、選手層の厚い鹿児島・肝属、高校生が強力な川薩・日置など上位争いが楽しみです。
また、この大会の特徴として、都大路やクイーンズ駅伝、杜の都駅伝など全国規模の大会に出た選手も、近所の子も一緒になって走るのも魅力のひとつです。
今大会も、インカレチャンピオンの鹿屋体大の中島選手や、今季好調の京セラの中原選手・兼友選手、そして都大路準優勝の神村学園勢、クイーンズ駅伝に出場した鹿児島銀行勢なども多数エントリーされていて、レベルの高い駅伝になりそうです。
持ちタイムでは史上最強レベルの今年の大会
今大会のエントリー選手の中で、日本のトップランナーの証といえる5000m15分台の選手が、ざっと調べただけで7人もいました。
漏れや、間違いがあるかもしれませんが、今季5000m15分台を出している選手を書き出します。
エントリー選手の今季15分台(敬称略)
・中原海鈴(出水・京セラ) 15'29
・黒川円佳(姶良・神村学園) 15'41
・中島紗弥(肝属・鹿屋体大) 15'45
・鳥居華(日置・神村学園) 15'53
・木之下沙椰(日置・神村学園)15'57
・中須瑠菜(川薩・神村学園) 15’57
・兼友良夏(姶良・京セラ) 15'58
3000mでも9分30秒を切る選手が10人程度はいます。
そして、その中に9分1桁台の選手が4人もいるというレベルの高さです。
シューズの影響もあるでしょうし、今季は神村学園勢が強力だったこともありますが、タイムだけで見ると、間違いなく史上最強レベルの大会になりました。
印象に残る2013年大会
これまで多くの実業団ランナーを輩出してきたこの大会ですが、その中でも特に印象に残る大会は2013年の第26回大会です。
南日本放送ホームページより
優勝は肝属で、1区が鹿屋体大の藤田選手、2区が神村学園の前之原選手、3区の中学生区間が倉岡選手、4区が鹿屋体大の鍋島選手と前半に強力なメンバーを投入して逃げ切りました。
各区間でもハイレベルな争いが展開されました。
1区では、全国高校駅伝8位の神村学園勢と全日本大学女子駅伝11位の鹿屋体大勢が上位を占めました。
中学生区間の3区は、区間賞が全中チャンピオンの倉岡奈々選手。
区間2位は東京オリンピックのマラソン代表の一山麻緒選手でした。
そして4区では、区間2位で並んだ全日本学生個人選手権覇者の鍋島莉奈選手と、全国高校駅伝1区8位の中原海鈴選手を、4キロ区間で49秒も差をつけて、上原美幸選手が区間賞を獲得しました。
この時高2の上原選手は抜群に強かったですね。
その他にもこの年の大会は、世界選手権マラソン代表になった池満選手や、現在も実業団で頑張っている野添選手、他にもその後実業団で活躍し、プリンセス駅伝やクイーンズ駅伝にも出場した選手がたくさんいます。
この2013年の大会に出場した選手で、のちに実業団に進んだ選手、過去に実業団に所属していて戻ってきた選手も合わせると、ざっと数えても25人以上はいました。
大会を彩った名ランナー
この大会に出場した選手の中から、3人のオリンピックランナーが誕生しています。
オリンピック代表選手(敬称略)
- 1988ソウル 荒木久美 マラソン
- 2016リオ 上原美幸 5000m
- 2021(東京)一山麻緒 マラソン
※荒木選手はオリンピックを走った後に、オリンピック選手としてこの大会に出場しています。
世界選手権代表では2017年ロンドン大会に鍋島莉奈選手、2019年カタール大会に池満綾乃選手が出場しています。
日本選手権覇者で、全国規模の駅伝でも区間賞を連発した永山育美選手も出ています。
そして、ワコール全盛時に駅伝やトラックで大活躍した上林一美選手は、高校時代に走り、引退後しばらくしてからは、主婦としてこの大会にずっと出続けています。
その他にも、ジュニアやユースの年代別で日本代表になった選手は大勢います。
この大会は、名前を出した全国的にも有名な選手や、強豪校に所属する学校の選手だけではなく、大会の顔として長年出続けている一般の選手や、長距離の競技経験がないのに抜擢されて出てくる選手など様々なところが魅力です。
そのようなところに注目してみても面白い大会です。
さて、今年の大会はどうなるのでしょか。
ハイレベルな優勝争いと共に、地域の為に頑張っている選手を応援しながらテレビ観戦します。