キバレ薩摩アスリート

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全国都道府県対抗女子駅伝~鹿児島県これまでの振り返り

 今週の日曜日は、全国都道府県対抗女子駅伝が開催される予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で中止になってしまいました。

今年の鹿児島は高校生が充実しており、社会人の招集次第ではかなりの上位が見込まれたので残念です。

 

というわけで、これまでの全国都道府県対抗女子駅伝の鹿児島県の活躍を振り返ってみることにします。

 

 

歴代順位10傑

1986年 1位 2時間22分59秒

②1989年 2位 2時間19分20秒

③1985年 3位 2時間27分20秒

③1987年 3位 2時間23分51秒

③1988年 3位 2時間21分41秒

⑥2015年 5位 2時間17分51秒

⑥2020年 5位 2時間17分04秒

⑧1998年 6位 2時間19分16秒

⑧2000年 6位 2時間19分14秒

 

何といっても第4回大会、1986年の優勝が光ります。

これまでの38回大会の中で唯一の優勝です。

 

この時は、まだ女子の実業団の強化が普及していない頃に、先陣を切って強化した京セラ勢が中心です。

9人中7人が京セラ、後の2人は当時鹿児島南高で、後に実業団の三田工業で活躍した里山選手と池田製菓所属の社会人選手でした。

池田製菓は、当時男子は県下一周駅伝などで強かったですね。

 

 

1区に昨年同区間で区間賞を獲得した日高選手を置き、2区には若手のホープ・荒木久美選手を置き、前半から優位に進めます。

中盤で粘り、アンカーはこれまた昨年同区間の区間賞の田崎選手で逃げ切りました。

まだ現行ルール(高校生3人以上、中学生2人)になる前でしたが、この時の鹿児島は湧きました。

 

1989年の2位、1985、87、88年の3位のベスト3に入っている年は、いずれも浜田安則監督率いる初期の京セラ中心でした。

 

5位入賞している近年の2015、2020年は後からも触れますが、中学生、高校生、社会人の力が集結した素晴らしいものでした。

 

そして、6位、7位に入賞している1998~2000年はエースの永山育美選手+大森監督が連れてきた埼玉栄の最強メンバーの京セラ勢中心の構成でした。

 

やはり、県勢上位進出には京セラの力が大きかったですね。

 

歴代タイム10傑

①2020年 2時間17分04秒 5位

②2015年 2時間17分51秒 5位

③2013年 2時間18分37秒 11位

④2010年 2時間18分45秒 11位

⑤1999年 2時間19分07秒 7位

⑥2000年 2時間19分14秒 6位

⑦1998年 2時間19分16秒 6位

⑧1989年 2時間19分20秒 2位

⑨2017年 2時間19分38秒 11位

⑩2007年 2時間19分48秒 13位

 

歴代最高タイムは昨年、2020年です。

京セラの世界選手権代表・山ノ内選手がエントリーされていましたが、故障で欠場し、一般選手は苦しい状況でしたが、高校生は神村学園勢が充実していました。

 

※2020年鹿児島オーダー(敬称略)

1区 倉岡奈々(デンソー) 19’42 19位

2区 黒川円佳(神村学園) 12’47 7位

3区 西本穂乃香(米ノ津中)9’47 7位

4区 木之下沙耶(神村学園)13’16 8位

5区 鳥居華(神村学園)  13’12 6位

6区 中須瑠菜(神村学園) 13’02 3位

7区 久保心優(神村学園) 12’41 4位

8区 中川千裕(東谷山中) 10’17 7位

9区 西田美咲(エディオン)32’20 8位

   総合成績 2時間17分04秒  5位

 

1区は当時デンソー(現在は鹿児島銀行)の倉岡選手が19位スタートとやや出遅れてしまいますが、2区以降は全て区間一桁順位で走り、5位入賞を果たしました。

神村学園勢はさすがの走りでしたが、中学生の2人の頑張りが大きかったです。

中学生が2人とも区間一桁なのは鹿児島としてはめずらしいです。

そして、何といってもアンカーの西田選手の力走です。

あのレベルの高いメンバーの中で、区間8位で走り、順位も4位から一つ下げただけの5位でゴールしました。

 

 

鹿児島歴代2位の記録を出した2015年は、もっとバラエティー豊かなメンバーでした。

1区はふるさと選手の上原選手(第一生命)が区間2位でつなぎ、2区の倉岡選手(鹿児島女子高)も区間2位で順位も同じ2位で3区につなぎます。

やはり1,2区でいい流れを作るのは大事ですね。

3区は原田選手(田崎中)が区間は24位ながらチーム順位は3位と粘ります。

そして、4,5,6区は神村学園の3年生トリオの野添、前之原、飛松選手が区間上位で好走します。

7区はふるさと選手の満枝選手(第一生命)でした。

ここはほとんどが高校生が走りますが、ここでのふるさと選手はめずらしいです。

区間3位の総合も3位で中学生につなぎます。

8区の中学生・清水選手(出水中)は一時トップに立つ力走を見せ、区間3位の総合2位でアンカーに渡しました。

アンカーの池満選手(鹿児島銀行)は当時はまだこの距離の経験があまりなく、不安がありましたが、粘りのレースをして5位でゴールしました。

一度かわされた群馬をゴール前で再度抜き返す見せ場も作ってくれました。

 

ふるさと選手2人に、地元の実業団選手、高校生も高校トップクラスの倉岡選手に都大路入賞の神村学園の主力と鹿児島の総合力を発揮しての5位でしたので価値があります。

 

 

歴代タイム5,6,7位に近年を抑えて20年ほど前の1998~2020年の記録が入ってきています。

この時代はエースの永山育美選手の活躍と、里村選手や鳥海選手など埼玉栄高校の全盛期に活躍した選手が入部した京セラ勢と、このあたりから頭角を現し始めた神村学園勢の頑張りもありました。

 

鹿児島県勢の区間賞

鹿児島県勢はこれまで9回の区間賞を獲得しています。

荒木久美選手と永山育美選手は2回づつ獲得していますので7人の獲得者です。

 

※鹿児島県勢区間賞(敬称略)

■1区

日高美子(京セラ) 20’38 1985年

永山育美(京セラ) 19’00 1998年

上原美幸(鹿女子) 19’00 2013年

 

■2区

荒木久美(京セラ) 12’56 1986年

永山育美(京セラ) 12’29 1997年

倉岡奈々(鹿女子) 12’36 2016年

 

■4区

椛島順子(京セラ) 13’36 1988年

 

■9区

田崎裕子(京セラ) 34’17 1985年

荒木久美(京セラ) 33’15 1987年

 

日高選手は1区のスペシャリストの印象があります。

優勝した年も1区で、確か2位で来ていたと思います。

実業団駅伝でも1区が多かったと思います。

 

永山選手は当時強かったですね。

1997年は2区で区間賞、1998年は1区で当時の区間新を出しました。

そして、その16年後、高校の後輩の上原選手が全く同じタイムの19’00で区間賞を獲得したのは鮮烈でした。

 

優勝した年に2区で区間書を獲った荒木選手。

翌年には9区で区間賞、その翌年はマラソンでソウルオリンピック代表になるなど、トントン拍子で成長していきました。

 

倉岡選手は2区で2015年は区間2位、2016年は区間賞と下りのこの区間で、スピードランナーの力を見せました。

 

1988年に4区で区間賞を獲っている椛島選手は、優勝した1986年にも好走しています。

実業団駅伝でもそうですが、必ず区間上位で走る印象がありました。

 

そして、鹿児島で唯一優勝ゴールテープを切った田崎選手。

その前年の1985年に9区の区間賞を獲得しています。

優勝した年は、トップで田崎選手にタスキが渡った時には安心して見ていられました。

 

鹿児島勢で区間賞を獲得したのは、京セラと鹿児島女子高校だけでした。

通算区間賞9回は意外に少ないですが、1区、2区、9区の主要区間で多く獲っています。

 

今後の期待と展望

これまでの結果を振り返ってみても、やはり社会人の力は欠かせないです。

優勝や2位、3位入賞に貢献してきた京セラも鹿児島に戻ってきましたが、戻ってからはまだ都道府県対抗では鹿児島に貢献出来ていません。

もう一つの実業団・鹿児島銀行も同じです。

ぜひ両チーム切磋琢磨して、実業団駅伝でも上位入賞して、都道府県対抗に強い選手を出して欲しいです。

 

鹿児島が再び優勝するにはタイミングが大事だと思います

中高生が充実した年に、強いふるさと選手がいて招集できるか、県内の実業団選手のレベルアップのすべてが揃わないと難しいと思います。

 

鹿児島はそれが出来る県の一つだと思いますので、ぜひもう一度優勝のシーンを見せてもらいたいです。